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本日 10月11日(土)の開館状況

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トップ企画展令和7年度(2025年4月~2026年3月)> ギャラリー展「海の光」-五浦/日立/米国:岡倉天心・田中信太郎・宮山正光

ギャラリー展「海の光」-五浦/日立/米国:岡倉天心・田中信太郎・宮山正光

展覧会概要

茨城県天心記念五浦美術館の建つ茨城県の最北端、北茨城市にある五浦海岸は、特殊な地形が織りなす景観と眼前に広がる太平洋の大海原から打ち寄せる波の運動によって現在もなお多くの人を惹きつけています。
明治時代の美術思想家・岡倉天心(1863-1913)は、1903年にこの五浦の景観に魅了されて土地と家屋を求め、後にこの海を最も体感できる位置に自邸と六角堂、日本美術院の画家が使用するアトリエを建造しました。ここを拠点に天心の生涯最後の10年間は、五浦とアメリカ・ボストンを拠点として世界で活躍していきました。
東京で生まれ日立市にアトリエを構えて活動した田中信太郎は、日立市という日本の近代化を支えた工業都市のエッセンスを感じさせる素材と、海と山に囲まれる特殊な形状の土地に育まれた感性によって緊張感を伴う空間をもつオブジェや絵画、インスタレーションを発表し、日本の現代美術を代表する作家として国際的に活躍しました。
北茨城市に生まれた宮山正光は、アメリカで美術を学び、日立の田中信太郎のアトリエでアシスタントを務めていました。絵画とオブジェを組み合わせて提示するその作品の形式は田中信太郎作品の持つ抽象性や空間認識にも通じる美意識を漂わせています。
茨城県北の風土に身を置いた三人の感性の根底には、時代を超えて大地と海と空が切り結ぶ光景があるのではないでしょうか。五浦に建つ美術館での展覧会を通して、岡倉天心、田中信太郎、宮山正光の表現をつなぐ風景の力を確認していただければ幸いです。

 

FROM-それぞれの日本画チラシうら

主な作品

  • 風景は垂直にやってくる

    田中信太郎

    《風景は垂直にやってくる》1985年 日立市郷土博物館蔵

  • 宮山作品

    宮山正光

    《neirological guidance(神経疾患指導)》2014年 個人蔵

開催詳細

海の光-五浦/日立/米国:岡倉天心・田中信太郎・宮山正光
開催期間2025年11月11日(火曜日)~11月16日(日曜日)
開館時間午前9時30分~午後5時
会場展示室B・C
料金無料
主催天心記念五浦美術館 生誕150年記念木村武山地域連携実行委員会

作家略歴

田中信太郎

Shintaro Tanaka 1940-2019

立川市生まれ。日立市に疎開した後上京。1960年、戦後の前衛美術運動、ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズに参加。60年代後半にはミニマルな表現に移行し、日本で最初期のインスタレーションを発表する。その後サンパウロ・ビエンナーレ(1971年)、ヴェネチア・ビエンナーレ(1972年)など国際展で活躍する。日立市にアトリエを構えた後も個展「饒舌と沈黙のカノン」(2001年、国立国際美術館)、「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」(2016年、茨城県)など各地で発表を重ねた。

宮山正光

Masa Miyayama 1958-

北茨城市生まれ。1978年に渡米し、1987年まで米国を拠点に活動。1990年から95年まで田中信太郎のアシスタントをつとめる。2020年からは、北茨城市の期待場を拠点として創作活動を行っている。個展:「限界標示」2008年表参道画廊(東京・神宮前)、「箱の中の思惑」2020年表参道画廊(東京・神宮前)

会期中のイベント

トークセッション

生前の田中信太郎氏と親交のあった宮山氏、大森氏を交え、本展企画者である小泉と共にその人物像と作品から浮かび上がるヴィジョンとは何かを討議します。

トークセッション
出演宮山正光(出品作家)×大森潤也(日立市郷土博物館学芸員)×小泉晋弥(茨城県天心記念五浦美術館長)
日時令和7年11月15日(土曜日) 午後1時10分~
会場展示室B・C

掲載日 令和7年10月7日